こんにちは、a-keyです。
アウトライナーで日本語の名前を付けようとすると、こんな事が起きていませんか?
- 日本語を入力すると、何故かアルファベットが重複して先頭についている
- 日本語の変換中はおかしな表示になるが、確定するとまともな表示だけが残る
- 「あう」って入力すると「aあう」となる
何度も変換->確定を繰り返しながら入力したら、名前のあちこちにアルファベットが入ってしまいます。
名前を付ける度に、勝手に入力されたアルファベットを都度削除するのも面倒ですよね。
今回の記事ではそんな問題を解決する設定について紹介していきます。
Blender2.9のアウトライナーで日本語が文字化けせずに、正しく入力できる設定
日本語入力を行うと、何故アルファベットが重複するのか?
Mircosoft IMEはご存じでしょうか? "IME"(アイ・エム・イー)とは"Input Method Editor"の略でして、入力方法編集プログラムと言われています。
私達がパソコンで文字を入力する際、入力したひらがなを漢字やカタカナへ変換しながら文章を組み立てていきますが、この変換作業を担ってくれているのがIMEです。
このIMEですが、 Windows 10 May 2020 Updateによって、新しいバージョンへと切り替わりました。
新しいバージョンになった際、日本語入力に対しても様々な変更が加えられています。
どのような変更が加えられたかは詳細には明記しませんが、その変更内容は古いバージョンのIMEの完全上位互換ではありません。
その為、新旧の差異により、使用するソフトによっては入力がおかしくなったり、最悪の場合には入力そのものが出来なくなってしまったりする問題が生じています。
問題が起きた当時、下記のリンクのようにニュースサイトでも取り上げられる問題になっていました。
「May 2020 Update」以降の新「Microsoft IME」で発生している互換性問題、11月下旬に解決へ/トラブルに遭遇したらフィードバックを
米Microsoftは11月11日(現地時間)、「Windows 10 May 2020 Update(バージョン 2004)」以降で発生している日本語・中国語「Microsoft IME」の問題に関し、11月下旬に解決される見込みであることを明らかにした。今月のプレビューパッチ(“C”リリース”でテストされるものと思われる。
この件については、Windowsの生みの親であるMicrosoft自身も気付いており、対策方法を用意してくれました。
Microsoft IMEの設定
Blenderのアウトライナーで日本語入力をしても表示がおかしくならない方法を記載していきます。
設定(WindowsKeyを押して、歯車マーク)を開きます。
時刻と言語を選択します。
タブ[言語]の中にある、優先する言語[日本語]をクリックし、オプションへと移動して下さい。
言語のオプション:日本語が開いたら、キーボードの項目にあるMicrosoft IMEをクリックして、オプションへと移動します。
Microsoft IMEの中にある、全般を選択します。
互換性のタブがありますので、"以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う"を有効にして下さい。
有効化すれば古いIMEにて動作しますので、設定が完了します。
a-key の Keypoint
Blenderに慣れていなかったり、モデリングを始めたばかりだったりすると、日本語表記の方が見やすいですよね。
けれども、モデリングしたデータを販売したり、公開したりしようと思っているならば、少しずつで構わないので英語表記にするようにしていってください。
英語表記のメリットは次の二つです。
Blenderは国産のアプリケーションではない
Blenderを開発している非営利団体Blender Foundationの本部はオランダにあります。このことから分かるように、ソフトウェアの様々な表示は外国語から日本語へ翻訳されて表示しています。
よって、パソコンの中で使用している文字のコードが異なっているので、使用している環境によっては上手く表示できない時が出てきます。
別のソフトウェアの話になりますが、以前、Microsoftが提供しているOfficeソフトのExcelにて、VBA開発の際にオブジェクト名へ日本語を設定すると不具合が生じたことがありました。
不具合の内容はVBAを設定したExcelそのものが立ち上がらなくなるというバグです。
Excelが立ち上がらなくてはVBAの編集さえ出来ませんので、開発元の修正が入るのを待つしかできない状況になります。
このような問題がBlenderでは起きないか? と問われたら、絶対に起きないとは断言できません。
どのようなソフトウェアとてバグは付き物です。なるべくバグが生じない環境となる様にユーザ側も配慮しておいた方が、最終的には自分自身の身を守れます。モデリングを扱うユーザが日本語環境に適しているとは限らない
Blenderは国外での活動が非常に活発的です。その為、販売したり配布したりしたデータを受け取る相手は外国人の可能性も出てきます。
前述した通り、文字コードの違いによってバグが生じる可能性もありますが、一番は受け取った方が読めない場合があります。
環境によっては文字化けしてしまい、相手から不具合だというクレームを言われかねません。
3Dモデリングは作っておしまいというものではなく、その後に動かして使用するものなので、動かす際の利用性を確保する必要があります。
名前一つ取っても意味があります。
最後に
今回はBlender2.9のアウトライナーで日本語を入力すると表示がおかしくなることに対する対策について紹介しました。
簡単に復習していきます。
日本語入力がおかしくなる原因
Windowsの入力方法編集プログラムであるWindows IMEが新しいバージョンにきりかわることにより、その入力方式に対応していないソフトウェアは入力バグが生じてしまいます。対処方法(Windows IMEの設定)
Windowsの設定から、Windows IMEの設定へと移り、古いバージョンのWindows IMEを有効にする必要があります。a-key の Keypoint
- Blenderは海外ソフトウェアなので、日本語表記よりかは英字表記の方が安定して動作します。
- 作成したデータを配布したり販売したりするのを考えているならば、受け取った相手が日本語環境に適しているとは限らないので、英字表記にした方が利用性が高まります。
もし本記事を読んで設定出来たよという方やタメになったという方、またはここを詳しく書いて欲しいという方がいましたら、コメントを残していただけると幸いです。
【2021/08/29更新】
匿名様よりBlender 3.0の更新情報を頂きました。
Blender 3.0 では新しいMicrosoft IMEに対応した為、文字入力の問題が解消されます。
⚙ D11929 IME Win32: Fix Duplicated Initial Character
2021年7月15日に問題解決に向けたタスクが設定されて、翌月8月1日にコミットしたみたいですね。
修正に取り組んでくださったTakahiro Suzuki様、そして関係者の皆様に感謝です。
Blender 3.0 は2021年8月29日現在、alpha版として公開されています。
正式版が出るのが待ち遠しいですね。
今回も最後までお付き合いくださり、有難う御座いました。
Blenderに関する記事は他にもあります。
お時間がありましたら、そちらも目を通して頂けると嬉しいです。
それでは、また次の記事でお会いしましょうッ!